児童指導員 職員インタビュー

橋本さん
児童指導員
池島寮 男子担当
  • 楽しい事より苦しい事が多いですが、
  • 子どもの成長を見守るというのは
  • 本当にやりがいがあります
児童養護施設で働こうと思った理由はなんですか?
心理学を専攻していた大学生の頃、先生のすすめで学習ボランティアとして通うようになったのが、児童養護施設に関わるきっかけです。
担当していた小学生の女の子で不安定さが目立つ子がいました。人懐っこく優しい時があったり、とげとげしい時があったり。自分としては接し方、関わり方を変えていないのになぜだろうと不思議で、施設の方に話を聞くと、その子の気持ちの背景にあるものを教えてくれました。子どもの内面まで考え、深く関わろうとする姿勢や思いに、すごい人たちだと心が動かされました。 元々は心理士を志していましたが、学びを深めていく中で、ケアが必要なお子さんの近くで、支えになれるような仕事をしたいと思うようになりました。
海の子学園に入った理由はなんですか?
通いやすい地域がよいなと居住地の近くでいくつか施設を見学し、雰囲気の良さで決めました。実際に入らないとわからないと思っていたので、フィーリングを重視しました。
仕事のやりがいはなんですか?
子どもの成長を感じる時です。
2年目の時に入ってきた幼児さんの男の子は、自分の気持ちを言葉でいうことができず、いつも泣いていました。小学校中学年になりましたが、今では「これして」「手伝って」と言えるようになりました。いろいろな職員が伝え方を繰り返し伝え、信頼が育まれる中で、自分の気持ちを伝えられるようになりました。 こういった子どもの変化を近くで見られることが仕事の醍醐味であり、やりがいです。
仕事で苦労するのはどんなことですか?
最近のことですが、5年目の年度初め、担当の子どもが非常に不安定で、ささいなことで腹を立ててものを壊したり、人に当たったりが繰り返されることがありました。逆効果だと自分でもわかっていながら、褒めるより叱ることが増え、そんな自分が苦しく、どんな関わりがよいのか迷いました。 解決の糸口が見えず、職員でも対応を相談しました。池島寮は、安心・安全な生活が送れる場所づくりを大事にしていますが、子どもが不安定になるということは、池島寮が不安になる空間になっているのではないか、そんなことを話しました。 子どもの願いや望みをできるだけ叶えてあげたい、そんな思いを職員が持っていることを伝え、丁寧に向き合うことによって、その子どもは次第に落ち着いてきましたが、何が不安定の原因だったのか、また何によって落ち着いて来たのか、はっきりわからないことも正直なところです。そういった難しさはあります。 年度初めは子どもが不安定になりやすい時期です。職員の入れ替わりもあり、子どもはその変化を敏感に感じ取ってしまいます。「先生、やめちゃわない?」「結婚したらやめるの?」と聞いてくる子どももいます。不安なんだろうなと思うんです。先のことはわかりませんが、嘘はつきたくないので「ちょっとの間は離れることはあるかもしれないよ」と話すこともあります。産休育休を取得して復帰している職員もいます。
池島寮の良さはどんなところですか?
職員の人柄です。日々、職員同士の支えあいに本当に救われています。こんな仕事をしているからかもしれませんが、職員の間でも感情の変化に敏感で、「こんなことあったんだね、大丈夫?」とねぎらってくれるんです。肩書や、先輩後輩といった立場に関わらず、たくさん話を聞いてくれ、相談ができる仲間がいます。 子どもたちも、そういった職員同士の関係性を見て、優しい気持ちが育ち、「しんどそうだったね」「〇〇してくれて、ありがとう」という言葉が自然に出てきます。
これから挑戦したいことはありますか。
この2年身動きがとれませんでしたから、コロナが落ち着いたら子どもたちとあちこちに遊びに行きたいですね。 施設の在り方としては、早く小規模化して、暖かい団らんを実現させたい、より丁寧に子どもに関われるようになればいいなと思います。
施設で働くことに興味を持っている方に一言
楽しいことより苦しいことが多いかもしれないけれど、子どもの成長を見守れるというのは本当にやりがいがあります。ぜひ勇気を出して飛び込んできて欲しいです。子どもが好きという気持ち、遊びが好きなら続けられると思います。ぜひ来てみてください!

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